救急車に乗っちゃったよ!!〜体験レポート〜

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2022年3月11日。

 

11年前の震災を追悼するために

日本中が黙祷を捧げていたであろうその頃。

 

ワタシは、救急隊員のお兄様方に囲まれておりました。

 

 

 

2022年3月11日、昼ごろ。

 

ワタシは遅めの洗濯を干し終わって、

2階から1階に降りようとしていました。

 

一段目を降りて、二段目。

 

血の気が引く感じがして、

気がついたらダダダダン!と滑落。

 

ちょうど中間の曲がりスペースで手すりにしがみついて、

落下が止まりました。

 

空の洗濯カゴが滑り落ちていきました。

 

背中と腰が痛い。。。

 

手は動く。

 

足も・・・大丈夫そう。

 

頭もたぶん打ってない。

 

記憶ないけど。

 

手元にはスマホ。

 

咄嗟に思いついたのは・・・

 

「明日仕事なのにどうしよう!!」

「土曜日だし、絶対代わりの人見つからない!」

「と、とにかく派遣会社に連絡しなくちゃ!」

 

でした。

 

仕事か〜いwww

 

我ながら「なぜそうなった?!」と思うのですが、

本当に仕事のことしか思いつかなくて。。。

 

階段に座り込んだまま派遣会社に連絡。

 

派遣先に連絡。

 

Twitterにツイート(笑)

 

この時は余裕でした。

 

が、連絡が一通り終わって、1階のリビングに降りようとしたら激痛。

 

背中も腰も右手首も痛い。

 

あれ?さっきそんなに痛くなかったよね?

 

焦り始める。

 

よじよじ一段ずつ階段を降りて、どうにかリビングに到着。

 

ソファーによじ登って横になったら、さらに激痛。

 

いま思えば、そりゃ腰痛いのにソファーなんて座ったら痛いよねぇ。。。

 

下も柔らかいし、身動き取れず。

 

周りにしがみついて起きあがろうにも、

頭しか上がらない。

 

腰激痛。

 

ここで、手から離さなかったスマホで夫に連絡。

 

しかもLINE。。。

 

LINE打ちながら、強烈な眠気に襲われる。

 

(なんで眠くなるの?痛いのに。目が開けられない)

 

ここらへんで一度眠ってしまいました。←原因は不明

 

目が覚めたのは夫からの着信音。

 

ワタシは何を話したのかよく覚えていないのですが、

 

「階段から落ちた」

「動けない」

「早めに帰ってきて」

「洗濯とお布団干してある」

 

的なことを話したらしいです。

 

救急車呼べる?と言う問いかけには答えず、聞こえてきたのは寝息だったらしい。

 

夫は意識を失ったと思い、大急ぎで帰宅。

 

ワタシは夫に肩を叩かれて目を覚ましました。

 

 

夫の判断で救急車要請。

 

この頃にはしっかり目を覚ましていたので、

内心はソワソワ・・・。

 

でも、妙に頭はまわっていて、保険証やお薬手帳を確認する夫に向かって、

 

「靴持っていって」

「上着とズボン持ってきて(部屋着でハーフパンツだった)」

 

と冷静に指示を出し、

 

サイレンが聞こえてきた頃には、

 

「あぁ〜・・・。旦那に連れていって貰えばよかった・・・」

 

と後悔の嵐。

 

でも、どう頑張っても起き上がれない。

 

背中もじわじわ痛みが広がっていく。

 

救急車が家の前に止まって、3人の救急隊員が我が家のリビングに。

 

うわー・・・。

 

The☆非日常・・・。

 

救「階段から落ちたと言うことですが、いま一番痛いのはどこですか?」

私「腰です。起き上がれなくて・・・。なんかすみません」

救「意識ははっきりしていますか?」

私「はい。大丈夫です」

夫「さっきすごい勢いで眠っちゃって・・・。電話中だったのに」

救「眠かったの?」

私「よく覚えてません。目を開けていられなくて。」

救「そうか・・・。」

 

なんかもう、立ち位置が変わっただけでこんなに違うのかと!

 

わからないことって本当にわからないんだな!

 

とても看護師だなんて言えない・・・。

 

その後、とりあえず救急車へ、と言うことに。

 

救急隊が持ってきたのは、布製の担架。

 

おぉ!これ、訪問入浴で使ってるやつと一緒だ〜!

 

ちょっとときめく40歳(笑)

 

普段使っている担架に自分が乗るのか。。。

 

と、言うことは左右にゴロゴロしないといけないやつだな。

 

救「ちょっと横向けますか〜?」

私「頑張ります」

 

左右にゴロゴロして担架を引いてもらい、

救急隊員さん3人に救急車まで運んでもらいました。

 

激痛は我慢。

 

脚がぐらつくと腰まで痛い。

やっぱり脚がぐらつかないように足先まで支えるのは大事。

 

うんうん。

 

両手は、両肩を掴むくらいコンパクトにまとめた方がラクだし、

安定感があっていい感じ。

 

うんうん。

 

(これ、復帰したらお客さんにも浴槽移乗の時にやってもらおう)

 

どこまでも続く看護師脳。

 

脳内のリトルさめこ達がワクワクするやら、アセアセするやら。。。

 

救急車のストレッチャーに乗せられた時、

(あぁ・・・。いい天気だなぁ・・・)

なんて呑気なことを思っていました。

 

プロがそばにいるって心強いなぁ・・・。

 

これ、本当に本当に大事!!

 

このまま意識を失っても、なんかおかしくなっても、

すぐそばに救急隊と旦那がいる安心感!!

 

安心感のある声かけ・・・。

 

「大丈夫ですからね」

 

その一言が心に染み渡りました。

 

そして、救急車に運び込まれる直前に聞こえてくるご近所さんの声。

 

(あ〜、ご迷惑おかけしてます。すみません、すみません)

 

そんなワタシに気付いてくれたのか、プライバシー配慮なのか、

ハッチを早めに閉めてくれたのは嬉しかったです。

 

救急車に運び込まれて、既往歴やバイタルのチェック。

 

救急隊のお兄さんたち優しい✨

 

搬送先を探してくれている声が聞こえてくるけど、

どうやらどこも整形外科医がいない(もしくはオペ中)らしい。

 

整形外科医ってこの辺少ないんだよねぇ。。。

 

救「どこも整形外科医がいないみたいで・・・。」

私「ですよね」

救「で、最寄りのK病院が整形外科医がいなくてもいいなら受け入れしてくれるそうです」

私「はい・・・。」

救「整形外科医にみてもらうのがいいとは思うんですけど、そうすると市外になってしまうんです」

私「はい・・・。」

救「どうでしょう?」

私「・・・。(ど、どうと言われても!とりあえずレントゲンで骨折確認ができれば・・・)

 

今思うと、その通り希望を伝えればよかったんですけどね(笑)

 

どのみち今日は金曜日。

 

整形外科医にみてもらえなくても、

最悪土曜日の午前中に整形外科を受診すればいい。

 

よし。(自己完結)

 

「救急隊の方にお任せします」

 

と、言うわけで最寄りのK病院へ搬送されることに。

 

搬送中。

 

どこ走ってるのか全然わからず!

 

交差点を突っ切る時にはお決まりの放送。

 

「救急車が通ります」

 

(いや・・・。命に別状はないので・・・。お気になさらず・・・)

 

重ねて運転手さんの声。

 

「そのまま動かないでください!救急車が通ります」

 

止まらない車がいたのかな?なんて思っているとさらにもう一声。

 

「動かないでください!!」

 

ひょおおおおぉぉおおお!!

 

そ、そんなに焦らなくても大丈夫ですぅぅうぅ!!

 

あぁ、ワタシって小心者・・・。

 

世間の皆様、ごめんなさいぃぃぃぃ!!

 

運転手さん!

ゆっくりで大丈夫ですからぁぁぁあ!!

 

と、思っている間に病院に到着。

 

ハッチが開いて、ワタシが乗ったストレッチャーが地面に到着。

 

足からストレッチャーが進んでいく。

 

「さめこさ〜ん。病院着きましたよ〜。」

 

のぞきこんでくる看護師さん(ビューティ&ラブリー)

 

「このまま処置室入りますね〜」

 

声掛けされて返事したいけど、

段差まみれで痛くて声出ず。

 

小さな段差の前には

「ちょっと揺れますね〜」

と看護師さんが声をかけてくれる。

 

腰に振動が響いて痛かったけど、

看護師さんの気遣いは本当にありがたかった!!

 

「痛いよね〜」

「大丈夫?」

 

そんな声掛けに、安心感とありがたさが込み上げてしまいました。

 

救急外来の処置室は、けっこう混み合っているようで、

あちらこちらから声が聴こていました。

 

2人の看護師さんがバイタルを測っていると、医師登場。

 

若い女医さんでした。

 

(研修医さんかな?ローテーション中かな?)

 

どうでもいいことが頭をよぎっていく(笑)

 

「さめこさんですね。階段から落ちたってことなんですけど、いま目眩とか吐き気は大丈夫ですか?そうですか。手や足で動かしにくい感じはしませんか?そうですか。」

 

先生!早いっす!!

 

「大丈夫です」を返すのに精一杯になっていると、医師が一言。

 

「ちょっと腰と背中見せてもらいますね」

 

言うのと同時に、ワタシの肩を掴んでぐいっと起こされました。。。

 

「ーーーーーーーっ!!!!」

 

・・・もうね。

 

声にならない激痛。。。

 

予告なしでそれはあかんですって!

 

さめこ涙目。(マジで)

 

そこに救世主が!

 

「先生!起きれなくて搬送されてる方なんで!」

「戻して戻して!」

 

看護師さん二人が早々に寝かせてくれました。

 

「痛かったね。ごめんね」

 

うぅ・・。痛かったよぅ。

看護師さぁん・・・。←ホントにこういう心境だった。

 

「背中と腰の状態を確認したいから、ちょっと頑張って横向いてもらっていいかな」

 

看護師さんの言葉に、よじよじ横を向くワタシ。

 

「ごめんね〜!ありがとう〜。もうちょっとそのままね〜」

 

横向きはそれほど辛くないので、ちょっと落ち着く。

 

「変形はないですね。はい、いいですよ」

 

先生はそう言って手を離すと、介助してくれていた看護師さんに指示。

 

「採血とレントゲン、心電図お願いします」

 

そう言って去っていく医師。

 

「「はーい」」

 

返事する看護師さんとワタシ。

 

「準備ができたら呼びにきますね。」

「もし痛みが強くなったり、痺れが出てきたらすぐ呼んでください」

「いま旦那さん呼んできますね」

 

看護師さんがそう言ってカーテンの外へ。

 

一人になったワタシ。

 

看護師さん、マジ天使だわ。。。

 

声掛けだって、特に特別な内容じゃない。

 

自分だって普段使っているような言葉ばかりだけど・・・。

 

患者さんにはこんなふうに伝わっていたのかな。

 

だったら嬉しいな。

 

表情と声かけだけでこんなに安心できるんだ、と実感しました。

 

 

 

その後、レントゲン等の検査を受け、骨折はないということが判明。

 

「起き上がって歩ければ帰っていただいて結構なんですけど・・・」

 

医師はクールに言い放つ。

 

ワタシだって帰りたいやい。←ちょっと元気出てきた。

 

さて、どうやって起きあがろう。

 

よじよじ横向きになって、

旦那と看護師さんの手を借りて起きあがろうとした時、

もう一人の看護師さんがコルセットを持ってきてくれました。

 

「これ!使ってみよう。ちょっと巻いてみるね」

 

寝かされていたストレッチャーの上でコルセットを巻いてもらい、

側臥位から端座位へ。

 

起きれた〜\(^o^)/

 

痛いは痛いけど、起き上がり成功。

 

「歩いてみてください」

 

医師はそう言いつつ何処かへ。

 

「じゃあ、こっちにちょっと歩いてみましょうか」

 

看護師さんに見守られながら50mほど歩行。

 

「大丈夫?」

 

看護師さんに言われて「大丈夫そうです」と答えると、

看護師さんが医師に向かって歩行状態を報告。

 

「じゃあ、今日はこれで終了中です。痛みが続くようなら、整形外科を受診してくださいね。何か聞きたいことはありますか?」

 

医師に言われ、

 

「特にないです。ありがとうございました」

 

そう言ったワタシはどんな顔をしていたのか・・・。

 

 

「さめこさん、検査お待たせしちゃってごめんなさいね」

「ゆっくり歩いて帰ってね」

 

そう言って見送ってくれた2人の看護師さん。

 

もう・・・本当に、マジで天使!!(2回目)

 

「ありがとうございました。」

 

何回言ったかわからないけど、とにかくありがたかった!

 

 

 

今回、自分が患者サイドになって感じたことを書き残してみました。

 

救急隊員さんの優しい声かけと、きびきびした動き。

看護師さんの気遣いと的確な声かけとフォロー。

 

どちらにも共通していたのは、

 

①不安を感じさせない態度

②緩急をつけた声掛け

③目を合わせてのコミュニケーション

 

これです。

 

本当にこれって、看護学校とかで習う基礎の基礎なんですけど、

これができるかできないかで印象が全然違う!!

 

ということを実感しました。

 

今回救急車で運ばれるという貴重な体験をさせてもらって、

本当に非日常って不安になるんだな、と体感しました。

 

看護師20年やってて、救急にもいたことあるけど、

患者さんがここまでの不安を抱えているとは正直思っていませんでした。

 

ワタシ自身、

元々そんなにおっかなびっくりするタイプではないと思っていました。

 

「やったことない!」

「ちょっとハードだな・・・」

 

そんなことを思っても

「よっしゃこーい!」

って思えるタイプなんですけど・・・。

 

自分が何もできない状況で、非日常がやってきた時、

本当にどうしていいかわからなくて、不安だった。

 

そんな時に優しい声掛けや表情は、

不安を和らげてくれるんだと思いました。

 

技術が優れていることももちろん大事だけど、

なにより患者さんに目をむけ、

安心させるような表情と声かけ、共感ができる看護師が側にいるということが

安心につながるんだなぁと思いました。

 

業務についていけない、

看護技術がなかなか習得できない。

 

そんな悩みを持つあなた。

 

患者さんに笑顔を向けていますか?

 

目を合わせて会話をしていますか?

 

患者さんが最初に求めることは、

高い技術力よりも「安心感」なんじゃないかなとワタシは思います。

 

 

そんな感じで、今回は初めての救急車乗車レポート(?)をお送りいたしました。

 

なにかの参考になるか、クスリと笑っていただければ幸いです。

 

最後までお付き合いありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

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