3年間で新人さんを指導者に育ててみた。

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すっかり寒くなって、

ホカペ(ホットカーペット)に集うねこ様たちが可愛い!

 

さめこです。

 

今回のテーマはズバリこれです。

 

「新人さんの育成」

 

年末あたりで一度振り返りとかあるのではないでしょうか。

 

なんせ年が明けたら、

次の新人のことも考えなくちゃいけなくなりますしね。

 

新人さんとして今年入ったスタッフも、

「春には新人が来るんだよ」

なんて言われる季節。

 

個人的に、

言われる方(1年目や中途採用)はいいんです。

 

びっくりするほど

なんにもできないまま今時期を迎えた、

なんて。

 

指導者なにしてたんですか?

師長なにしてたんですか?

 

と個人的には思うからです。

 

ワタシは指導者サイドだったので、

この時期怖かったですよ。。。

 

新人がなにも出来ないままとか無理!

言えない!

 

みたいな感じで。

 

新人指導するようになって5年目くらいからは

そんなことなかったですけど、

それまではどれほど心をえぐられたことか・・・。

 

ちゃんと教育出来てなくてごめんなさい。

ワタシが指導者でごめんなさい。

プリセプターなんて厚かましいこと言ってごめんなさい・・・。

 

土下座の心持ちでした。

 

この新人さん、

ワタシが担当じゃなければ

もっと伸びていたかもしれないのに・・・。

 

何度思ったことか!!

 

いま振り返ると、

3年目で初めてプリセプターをやった時は

ひどかったわ・・・。

 

ワタシ・・・。

 

味方になることは出来ても、

技術や知識を教えるって言うことが

すごく難しくて。

 

味方になるにも、

どこまで踏み込んでいいのか

全然わからなくて。

 

結局、新人さんを困らせていたっていう・・・。

 

穴を掘ってでも入りたい過去です。

 

でも、そこから何年も新人さんや学生さんの指導者をやっていく中で、

思ったことがありました。

 

「プリセプターの指導者って少なくない?」

 

ワタシが新人の時に所属していた病院では

プリセプティプリセプターアソシエイター

という指導体制が取られていました。

 

プリセプターへのアドバイザー的存在、

もう一人のプリセプターとも言える存在の

アソシエイター。

 

まぁ、実際にワタシが指導者になった時には

そのアソシエイターという存在はなくなっていましたけども(謎)

 

指導自体が手探り状態。

 

看護計画立案のような指導計画。

 

一人の新人を一人前に育てるという大役に

頭を抱えていましたが、

これってよく考えたら

わからなくて当たり前じゃないですか?

 

だって、

やったことないんだもん。

 

育てるどころか、

自分が日常に追われまくっている状態で

新人のことまで手が回らなかったのではないかと

今のワタシは思います。

 

初めての看護師と初めての指導者。

 

もちろん、うまくいく人もいると思います。

 

でも、初めて同士がペアを組むなら、

そりゃあ困難だよね。

 

新人さんは悩み、

初めての指導者は戸惑う。

 

なんてこった。

 

完全に負のスパイラル。

 

なので、

ワタシは提案してみました。

 

当時勤めていた病院の師長に

「初めてのプリセプターにも指導者が必要だ!」

と。

 

結果として返答は、

「実現不可能」

だったんですけどね。

 

この指導者体制を作るためには

最低でも3〜5年間という年月が必要。

 

まずは指導者第一世代の育成←指導者なし

指導者第一世代の独立。

指導者第一世代が指導者となる為の上司との連携期間。

指導者第二世代の育成←第一世代からの指導あり。

第二世代、第一世代での指導連携に対する評価。

指導者育成のためのマニュアル作り。

指導連携そのものに対する周知徹底(勉強会、研修など)

 

軽く考えるだけでも

これだけの時間と手間を

その時のスタッフ人数や業務量では

作ることができないということでした。

 

実際、正社員はごくわずかで、

日勤の病棟スタッフは

ほとんどが時短パートさんだったので、

その時短勤務ないでプリセプターをするというのは難しかったですし。

 

常勤(正社員)は、一ヶ月のほとんどを夜勤勤務しているような状態でした。

 

もちろんワタシも、日勤は一ヶ月に1回か2回という状態でした。

 

でも、教育や育成の方法や環境が変われば、

スタッフのストレス軽減や

離職率の低下につながるのではないかと

ワタシは考えていました。

 

そこから約3年半、

一人で脇目も振らずに新人を育て続けました。

 

病院それぞれで設定する個人目標も

新人育成と指導者育成の二本柱で立て続けました。

 

新人さんを育てながら、

3年目には新人さんとプリセプター育成を同時進行。

 

正直、この一年が一番きつかった。。。

 

寝ても覚めても

指導指導指導。

評価評価評価。

相談相談相談。

 

しかも、

その年は病棟的事件が多発した年だったので、

ワタシは指導者とともに

病棟の管理者としての役割もあったので、

ぶっ倒れそうになったことも数回。。。

 

でも、プリセプターになった子たちがとっても頑張ってくれたんです。

 

はじめはプリセプターも渋々&ビクビクやっていたスタッフたちが

 

「〇〇を新人さんに見学してほしいので、プリAが見学に、プリBがその間の業務フォローします」

 

「この日は私がリーダーやってもいいですか?人もいるんでこういう日にやりたいです」

 

「さめこさん、この日は師長代行ですよね。この日にレポートの添削お願いしたいです」

 

みたいに積極的に提案や新人さんへの関わりをしてくれるようになったのです。

 

すんごく助かった。。。

 

予定確認してくれるだけでもすごーーく助かった。

 

そして、さらにいい影響が。

 

頑張っているプリセプターたちに、

周りのスタッフが感化されたのか指導に関わってくれるようになったのです。

 

採血やオムツ交換、吸引。カニューレ交換・・・。

 

ベテラン勢が新人に教えてくれたり、コツを伝授してくれたり。

 

病棟全体のスキルアップや丁寧なケアにつながっていきました。

 

その次の年、

プリセプターだったスタッフが「プリセプター指導者=アソシエイター」になりました。

 

そして、

新人指導は新しいプリセプターへ。

 

ここまで来たら、

ワタシの役割はアソシエイター指導に絞られてきます。

 

もちろん、病棟の教育担当はワタシだったので、

新人からアソシエイターまでフォローする必要はありましたが

指導体制が確立した年になりました。

 

新人に関わるプリセプター。

プリセプターと新人に関わるアソシエイター。

新人、プリセプター、アソシエイターに関わる指導者と管理職。

 

新人、プリセプター、アソシエイターがそれぞれ複数人になったことで

振り返りや打ち上げで意見交換ができるようになりました。

 

一人が抱える指導量が減ったのも大きな変化でした。

 

この指導体制を作るまでの経過や振り返り(残業時間の短縮や離職率の低下)を

院内の教育委員会で発表し、

指導要綱やマニュアルを作成して他病棟でも実施できるよう

準備を整えました。

 

いろんな準備を整えて、

病院として指導者の育成に取り組み始めたその年。

 

ワタシは家庭の事情で退職しなくてはならなくなってしまいました。

 

本当は実施して、評価して、実施要綱やマニュアルの改定まで関わりたかった。

 

でも退職するしかない状態で、

初めて泣きながら退職を決めた病院でした。

 

病院側からは

「あなたはこの病院の未来を育てるシステムを作った。」

「指導のスペシャリストとして残ってほしい」

と嬉しい評価をいただきました。

 

でもそんな評価より、

他病棟から移動してきたスタッフが

「この病棟って、すごく働きやすい」

「誰に聞いてもちゃんと教えてくれるし、教え方もすごく優しい」

と言ってくれたことや、

最終出勤日にいろんな病棟に散っていった後輩たちがみんな顔を出してくれて

「いろいろありがとうございました」

「また相談させてください」

そういって泣いて送り出してくれたことが1番嬉しかったです。

 

ここで必死にやったことは、

ムダじゃなかったんだなぁ・・・。

 

ワタシが育てたかわいいかわいい後輩たちは、

現在グループ病院に散って、指導者になったり、主任になったりしています。

 

ご時世もあって、会うことはできませんが、

頻繁にLINEやメール、年賀状のをやりとりしています。

 

新人ももちろんですが、

指導者を育てるにもたくさんの時間が必要です。

 

でも、後進を育てることで新人指導や病棟業務は楽になると

ワタシは実感しました。

 

だから、このブログを通して、

スタッフの育成や指導方法のコツなどを伝えていきたいと思っています。

 

看護師の離職率の高さは、

現場で働いているあなたが一番感じていることでしょう。

 

その理由も。

 

過酷な業務、面倒な人間関係、昭和から進展していない指導体制。

 

若いスタッフは定着しない、残ったスタッフにのし掛かる多重業務。

 

削られていく体力。

 

追い詰められていくメンタル。

 

メンタルが削られていくと、

人に優しくできなくなります。

 

ベテランも若手も。

 

メンタル削られた状態で優しくなれない人が集まっている状態で

一番最初に攻撃を受けるのは

新人さんや若手、やり返さない人。

 

どんなに優秀でも、

一方的に攻撃され続ければ疲弊していきます。

 

そしてその職場を去っていくのです。

 

そして、最初に戻る。

 

人は増えない、仕事は増える。

 

お給料は変わらない、残業は増え、休みは減っていく。

 

人間関係はますますこじれていく、という。

 

「こんなはずじゃなかった」

「こんなことのために看護師になったわけじゃない」

 

そう言った言葉を聞くたびに、

ワタシは

「そこだけがあなたの働く場所じゃないよ」

と思います。

 

あなたに合った職場で働けたらいいと思うのです。

 

でも、せっかくきてくれた若いスタッフが健やかに育つために

その前からいるスタッフが健やかに働けるように

環境を整えていけたらいいんじゃないかなぁ、とワタシは思います。

 

 

今回書いたのは、ワタシの経験談です。

 

どこにでも当てはまる方法ではないかもしれません。

 

正攻法でもありません。

 

ワタシが意地になって駆け回った話です。

 

でも、あの時頑張ったことはワタシの自信につながっています。

 

後輩たちが本当はどう思っていたのか、

わからないですしね(笑)

 

それでも、そこの病院ではワタシが作った指導体制が定着し、

グループ病院の中でも離職率の低い病院として評価されています。

 

教育によって病棟は変わります。

 

あなたの病棟はどうですか?

 

後進育成と労働環境。

 

いまの時代こそ、見直す時期にあるのだと思います。

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